そもそも『難聴』って何?
2021.04.06
ブログ
皆さんこんにちは。ソリッドソニック代表の久保です。
この記事では、私がヒアラブルデバイスに関わるようになってから学んだことを共有したいと思います。
今日は『難聴』について。
■聴覚障害の世界基準
皆さん、難聴ってどのような形で定義されているか、ご存じでしょうか?
WHO世界保健機関によると、聴覚障害は以下の様に定義されています。
---------------------------------------------------------------------------------
・難聴が無い状態:ささやき声も聞こえる状態
(純音聴力検査による平均聴力レベルが25dB以下)
・軽度難聴 :小さな声で話されるのが聞こえず、日常生活に
支障を来す状態(26~40dB)
・中等度難聴 :1メートル離れたところでの普通の会話が
聞こえない状態(41~60dB)
・高度難聴 :更に大きな声でも聞こえない状態(61~80dB)
・重度難聴 :ほとんど何も聞こえない状態(81dB以上)
--------------------------------------------------------------------------------
WHOは、世界で聴覚障害に苦しむ人は約4.7億人(2018年)存在すると推計し、更に高齢者人口の
増加などで、2050年には9億人に達する可能性があると発表しています。
また、はしかなどの感染症予防や難聴を引き起こす可能性のある薬剤を使用しないこと、
職場や屋外で大音量の音を出さないようにするなどの対策を取れば聴覚障害の半数は防げると
指摘し、各国政府に適切な対策を取るよう求めているのです。
■日本の聴覚障害の基準は厳しい
それでは、日本においてはどのように定義されているのでしょうか?
日本には身体障害者手帳制度というものがあります。
これは、身体上の障害がある人に対して、自治体が手帳を交付するというものなのですが、
交付を受けると様々な福祉サービスを利用することが出来ます。
では、聴覚障害における交付基準はどのように設定されているのでしょうか?
------------------------------------------------------------------------------------
1級:-
2級:両耳の聴力レベルがそれぞれ100dB以上のもの(両耳全ろう)
3級:両耳の聴力レベルが90dB以上のもの
(次回に接しなければ大声語を理解し得ないもの)
4級:両耳の聴力レベルがそれぞれ80dB以上のもの
(次回に接しなければ話声語を理解し得ないもの)
両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50%以下のもの
5級:-
6級:両耳の聴力レベルが70dB以上のもの
(40cm以上の距離で発声された会話語を理解し得ないもの)
一側耳の聴力レベルが90dB以上、他側耳の聴力レベルが50dB以上
7級:-
--------------------------------------------------------------------------------------
皆さんはこれを見てどのように思われたでしょうか?
実は、世界的には、中等度難聴(41dB以上)の人が福祉サービスの対象になっていることが
主流のようです。
それに対して日本では、WHOによる聴覚障害の基準でいうところの高度難聴70dB以上の方が
障害者手帳を交付され、自治体による福祉サービスの対象ということになります。
しかし、軽度難聴以上の方は、既に日常生活に支障を来しているわけですから、軽度~高度難聴69dBの
人は、苦しんでいながらも自治体による福祉サービスの対象に入っていない状態にあるというわけです。
皆さんの周りには、突発性難聴になるなど片耳の聞こえが悪くなった方はおられますでしょうか?
日本の基準を見ると、片耳が全く聞こえない状態になったとしても、手帳交付基準を満たすことには
ほぼならないという事になってしまいます。
厳しいですね。
ですから、日本でも聴覚障害に関する手帳交付基準の緩和について、多くの声が上がっています。
私は、生まれつき耳の穴が小さく、幼少時代は水泳をやっていたこともあり、よく中耳炎に
なっていました。
聴力検査で問題になったことはありませんが、自分の聴力にはそれほど自信がありません。
会話の途中で相手に聞き返すことでさえも、結構ストレスに感じます。
ですので、軽度難聴以上の方は多くのストレスを抱えていらっしゃるのではないかと想像します。
手帳交付基準は、財源の問題などもあるでしょうし、簡単に緩和できるものではないとは思いますが、
高齢化社会を迎え、聴覚障害を持つ人が今後も増加していくことが予想されるわけですから、
継続的に議論は進められていくことでしょう。
■まとめ
・WHOの基準では、日常生活に支障を来す聴力レベルは26dB以上
・難聴者は世界的に増加している
・原因は難聴を誘発する薬剤の使用、病気、大音量に晒される機会の増加
・日本の聴覚障害に関する障害者手帳交付基準は世界に比べても厳しい
■参考
・全難聴
https://www.zennancho.or.jp/special/statement20140324/
・WHOによる聴覚障害等級 https://www.who.int/healthinfo/statistics/bod_hearingloss.pdf
・身体障害者障害程度等級表 https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/shougaishatechou/dl/toukyu.pdf
・全難聴
https://www.zennancho.or.jp/special/demand_loss_autho140310/
・身体障害者手帳制度の概要 https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/shougaishatechou/dl/gaiyou.pdf
この記事では、私がヒアラブルデバイスに関わるようになってから学んだことを共有したいと思います。
今日は『難聴』について。
■聴覚障害の世界基準
皆さん、難聴ってどのような形で定義されているか、ご存じでしょうか?
WHO世界保健機関によると、聴覚障害は以下の様に定義されています。
---------------------------------------------------------------------------------
・難聴が無い状態:ささやき声も聞こえる状態
(純音聴力検査による平均聴力レベルが25dB以下)
・軽度難聴 :小さな声で話されるのが聞こえず、日常生活に
支障を来す状態(26~40dB)
・中等度難聴 :1メートル離れたところでの普通の会話が
聞こえない状態(41~60dB)
・高度難聴 :更に大きな声でも聞こえない状態(61~80dB)
・重度難聴 :ほとんど何も聞こえない状態(81dB以上)
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WHOは、世界で聴覚障害に苦しむ人は約4.7億人(2018年)存在すると推計し、更に高齢者人口の
増加などで、2050年には9億人に達する可能性があると発表しています。
また、はしかなどの感染症予防や難聴を引き起こす可能性のある薬剤を使用しないこと、
職場や屋外で大音量の音を出さないようにするなどの対策を取れば聴覚障害の半数は防げると
指摘し、各国政府に適切な対策を取るよう求めているのです。
■日本の聴覚障害の基準は厳しい
それでは、日本においてはどのように定義されているのでしょうか?
日本には身体障害者手帳制度というものがあります。
これは、身体上の障害がある人に対して、自治体が手帳を交付するというものなのですが、
交付を受けると様々な福祉サービスを利用することが出来ます。
では、聴覚障害における交付基準はどのように設定されているのでしょうか?
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1級:-
2級:両耳の聴力レベルがそれぞれ100dB以上のもの(両耳全ろう)
3級:両耳の聴力レベルが90dB以上のもの
(次回に接しなければ大声語を理解し得ないもの)
4級:両耳の聴力レベルがそれぞれ80dB以上のもの
(次回に接しなければ話声語を理解し得ないもの)
両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50%以下のもの
5級:-
6級:両耳の聴力レベルが70dB以上のもの
(40cm以上の距離で発声された会話語を理解し得ないもの)
一側耳の聴力レベルが90dB以上、他側耳の聴力レベルが50dB以上
7級:-
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皆さんはこれを見てどのように思われたでしょうか?
実は、世界的には、中等度難聴(41dB以上)の人が福祉サービスの対象になっていることが
主流のようです。
それに対して日本では、WHOによる聴覚障害の基準でいうところの高度難聴70dB以上の方が
障害者手帳を交付され、自治体による福祉サービスの対象ということになります。
しかし、軽度難聴以上の方は、既に日常生活に支障を来しているわけですから、軽度~高度難聴69dBの
人は、苦しんでいながらも自治体による福祉サービスの対象に入っていない状態にあるというわけです。
皆さんの周りには、突発性難聴になるなど片耳の聞こえが悪くなった方はおられますでしょうか?
日本の基準を見ると、片耳が全く聞こえない状態になったとしても、手帳交付基準を満たすことには
ほぼならないという事になってしまいます。
厳しいですね。
ですから、日本でも聴覚障害に関する手帳交付基準の緩和について、多くの声が上がっています。
私は、生まれつき耳の穴が小さく、幼少時代は水泳をやっていたこともあり、よく中耳炎に
なっていました。
聴力検査で問題になったことはありませんが、自分の聴力にはそれほど自信がありません。
会話の途中で相手に聞き返すことでさえも、結構ストレスに感じます。
ですので、軽度難聴以上の方は多くのストレスを抱えていらっしゃるのではないかと想像します。
手帳交付基準は、財源の問題などもあるでしょうし、簡単に緩和できるものではないとは思いますが、
高齢化社会を迎え、聴覚障害を持つ人が今後も増加していくことが予想されるわけですから、
継続的に議論は進められていくことでしょう。
■まとめ
・WHOの基準では、日常生活に支障を来す聴力レベルは26dB以上
・難聴者は世界的に増加している
・原因は難聴を誘発する薬剤の使用、病気、大音量に晒される機会の増加
・日本の聴覚障害に関する障害者手帳交付基準は世界に比べても厳しい
■参考
・全難聴
https://www.zennancho.or.jp/special/statement20140324/
・WHOによる聴覚障害等級 https://www.who.int/healthinfo/statistics/bod_hearingloss.pdf
・身体障害者障害程度等級表 https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/shougaishatechou/dl/toukyu.pdf
・全難聴
https://www.zennancho.or.jp/special/demand_loss_autho140310/
・身体障害者手帳制度の概要 https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/shougaishatechou/dl/gaiyou.pdf